日々是妄想

読書が好き。食べることが好き。哲学が好き。引きこもりがちな私の日常。大体妄想中。

「好き」について

好きを、見つめるのなんて簡単だ。
だけど、見つめ続けるのは、難しい。少なくとも、私にとっては。

本を読むのも、妄想するのも、文章を考えるのも、好き。好きなはず…なのに、好きじゃなくなる時がある。
純粋にソレを楽しめていない時。
楽しむこと、好きを愛でること、から意識が外れてしまっているとき。
そういう時は楽しくない。

書きたいことは、沢山ある。もうほとんど出来ているものも、けっこうある。
だけど、今楽しめていない状態で公開したくないっていう気持ちもある。

余計なことにばっかり気を取られて、自分が出せなくなるなんてアホらしいとは思う。思うけど、出来ない。


他人との境界線も、難しい…
一人は好き。大好き。
でも一人ぼっちは、寂しいからいや。
大勢でワイワイするのは苦手だけれど、仲良くなれるなら、なりたいし、できるなら、したいと思ってる。

だけど、どうにも、ある一線を超えて、相手がこちら側に近づいてくると、私は途端に居心地が悪くなる。ものすごく。
もちろん相手に悪気なんてない。むしろ、私のことを、好きでいてくれてるんだろうと思う。ありがたいと思う。思ってる、ものすごく!


接客業も、同じ理由で辞めた。


ありがたい、けど。
けど、がつくの。その先に続く言葉を、一番しっくりくる言葉を今も探してる。

恋愛とは、また別。
恋愛の時は、ほんと単純に好きと嫌いをあべこべに伝えてしまっていた。嫌いばっかり見てたのが原因。これはこれで、難しいんだけど。

だけど、これはまた別、なんだと思う。
なんなんだろう。

たとえば、昔話だけど。
すごく信頼してくれて慕って下さっていたお客様がいらした。
とても素直で純粋な方で、私もそのお客様のことは大好きだったし、何か力になれることがあるのであれば、いくらでも協力は惜しまないっていう気持ちでいた。

月に2〜3度来店して下さっていたのが、週一になり、週3になり、最後にはほぼ毎日になっていった。
私が、仕事用に購入した店頭用の服、ほぼ全部同じものを持っていらしたと思う。もちろん、私と違ってプロパーで購入して下さっていたから、相当な額になっていたはずだ。

嬉しそうに「お揃い!!」って。
うん、とてもよくお似合いだったし、ご満足頂けたのなら何よりですし、お店の売上的にも万々歳だ。みんなが幸せ。ぜんぶ丸く収まってる。

なのに、この息苦しさは、なんだろう?

最初は「どういうのが似合いますか?」だったのに「ひなおちゃんは、何買うの?何買ったの?」になっていってた。
嘘つく必要も理由もないから、正直に答えてたけど「じゃあ、私もそれ!」って。
なんだか違和感を感じ始めたのは、このあたりからだったと思う。
あまりにも私の持ち物を真似てポンポン買うものだから「似たようなの、もう持ってるでしょ?私は仕事柄、新作着てないとダメだけど、○○さんは違うんだから、その分違うもの買ったほうがいいよ」ってお伝えしたら、何故かものすごく嬉しそうに「だから、好き!」と言われた。

嬉しいと思う。ありがたいと、思う。
おもう、のに。

髪型変えたいんだけど一緒に考えて欲しい。
靴の色で悩んでて…
このあたりまでは、まだ大丈夫だった。ファッション繋がりの話題だし、トータルで考えてるのは、間違ってない。だけど

お店の外で会いたい
一緒にご飯に行こう
ここまで来ると、ダメだった。
別にその方と仕事以外で関わりたくないとか、思ってたわけじゃない。
一緒にゴハンに行くこと自体は、べつに嫌でも何でもない。むしろ嬉しいし、ありがたい。ご一緒させて頂きたいと思う。むしろ、最初の頃なんて、私の方からお茶にお誘いしたことだってあるくらい。
お店の外でも、じゃなくて、お店の外で、になった頃からダメになってった。


なにが、そんなにモヤモヤしていたのか、いまだにわかっていない。私が、アタマおかしいだけな可能性も高い。


そんなお客様が、他にも沢山いらして、ありがたいけど、嬉しいけど、接客業冥利に尽きるんだけど、接客自体は大好きなんだけど!!!
社長に相談してみたけど「それがお前の仕事だ」って言われて終わって、そんなもん言われなくても分かってて、そーゆーことを聞いたわけではないと思ったけど、説明するのも面倒くさいってか諦めて、だから違和感に気付かないふりして、笑顔で仕事続けてたら、ある日体が動かなくなった。
ベッドから起き上がれなくて、なんとかしようとしてゴソゴソ芋虫みたく動いて、そしたらベッドから落ちた。痛みでちょっと感覚戻って、だから気合で出勤しようとしたら、外出て数メートルで倒れて吐血して運ばれた。仕事は辞めた。

人前に出るのが、怖くなったのは、この時あたりからかもしれない。

傷つけたくは、ない。
拒絶したいわけじゃ、ない。
嬉しいよ。感謝してる。それも本当。

だけど、耐えられる自信がない。
なにに、かは分からない。
すごく変な例えだけど、なんだか私自身の境界線が侵食されていくような、そんな感覚になってくる。
って、ATフィールドかよ。

今また、あの時と似たような違和感を自分の中に感じていて、でも原因がわかってなくて、それどころか対象もわかってなくて、なかなかにモヤンとさせられる。
そんな秋の昼下がり。

何書いてるのか、自分でもわからなくなってきたな。

何かが、ずれてるのは、「好き」だけを見ていないのは、確か。「好き」だけ見つめ続けることが出来てたら、今もまだ接客やってたのかな。
少なくとも、事務よりは向いているのは確か。

でもまた血を吐いたら、いやだしなあ。
って、ぽやーんと思ってる。